建設業を取り巻く現状と課題
- 60歳以上の建設業就労者は、10年後には大量離職がみこまれるが、それを補うべき若手入職者の数は不十分
- 給与は建設業全体を見れば上昇傾向にあるが、生産労働者(技能者)について見ると製造業と比較すると低い水準に留まっている
- 建設業生産労働者(技能者)の賃金は、45歳~49歳がピークとなる。体力のピークが賃金のピークとなっている現状があり、知識・経験・マネジメント力等が十分に評価されていない。
- 社会保険の加入は一定程度進んでいるが、下位の下請けになればなるほど加入率は下がり、さらなる対策が必要な現状。偽装一人親方も同様。
- 建設業は全産業平均と比較して年間300時間以上の長時間労働の実態。
- 他の産業では当たり前になっている週休二日制が定着していない。
新しい担い手3法
平成26年に公共工事品確法・建設業法・入契法を一体として改正し、適正な利益を確保できるよう予定価格の設定を適正化することや、ダンピング防止対策の徹底、そして将来に向けた人材の育成・確保のための基本理念具体的な措置を規定しています。
品確法の改正 公共工事の発注者・受注者の基本的な責務
働き方改革の推進
発注者の責務
適正な工期の設定。休日や準備期間等を考慮する。
施行時期の平準化。債務負担行為や繰り越し明許費の活用
受注者(下請含む)
適正な請負代金と工期の設定で下請契約を締結する。
工期の適正化
中央建設業審議会が工期に関する基準を作成勧告
著しく短い工期による請負契約の締結を禁止。違反者は国土交通大臣等から勧告・公表
公共工事の発注者が、必要な工期の確保と施行時期の平準化のための措置を講じることを努力義務化
現場の処遇改善
許可取得や更新に社会保険の加入を義務化
下請工事代金のうち労務費は現金払いとする。
生産性向上の取り組み
発注者・受注者の責務
情報通信技術の活用等による生産性の向上
技術者に関する規制の合理化
管理技術者:技士補を配置する場合は、兼任を容認する。
下請の主任技術者:一定の要件を満たす場合は配置不要。
災害時の緊急対応強化
災害時における建設業者団体の責務の追加
建設業者と地方公共団体等との連携の努力義務化。
持続可能な事業環境の確保
経営管理責任者に関する規制を合理化
建設業許可に関する事業承継に関する規定を整備する。
調査・設計の品質確保
公共工事に関する測量・地質調査・その他の調査及び設計を、基本理念及び発注者受注者の責務の各規程の対象に追加